肌荒れ

生まれてこのかた肌が弱い。肌が薄いのだと思う。手も足も、青い血管がよく透けて見える。

子供の頃は体が弱かったが、特にひどかったのがアトピーだった。ともかく体のあちこちが痒くなる。こっちだって好きで痒いわけではないのに、親にかいてはいけないとよく怒られ、混乱していた。

とはいえ、幸いにも20歳を超えるあたりから症状は治り始め、体のかゆみというものはほとんどなくなった。しかし代わりに、定期的に顔が肌荒れを起こすようになった。特に季節の変わり目は発汗がうまくいかないからか、非常に荒れやすくなる。

とりわけひどかったのが数年前の春で、就職に伴う環境の変化やプライベートのストレスが積み重なり、顔全体が鱗のようになってひっきりなしに皮がむけ、ボロボロ崩れ、鱗になってを繰り返すようになった。顔もパンパンに腫れて、赤黒くなっていた。この状態が4月から6月くらいまで続いていたと思う。

幸いにも(?)自分の顔面にそこまで重きをおいていなかったので、まあしんどいのは嫌だけど、そのうち治るだろうとは思っていた。が、母親が過剰に心配し、なんだかよくわからないネズミ講が絡んでいるようなアロエの何かを塗ったり、勝手に写真をとってそのネズミ講仲間に写真を回したり、しかもそのネズミ講に洗脳されていたのか知らないが、医者に行くのを止められた。最終的にキレて医者に行ってステロイド薬を併用するようになり、ようやく治った。

まあ、ステロイドはリスクがあるのはアトピー持ちであったこともありなんとなく知っているので、母がなんだかよくわからないものにすがりつきたくなる気持ちもわからないでもない。親心もあるのだろう。しかしかわいそうなもの扱いされるのがともかくうっとおしかったし、私を実験台にしてネズミ講の効果を確かめようという節があったのも癪に触った。

なんだか嫌なことを思い出してしまった。今年も若干肌荒れの徴候が見えたが、対処が早かったのでなんとか乗り切れそうだ。季節の変わり目、なるたけ体に気をつけて過ごしていきたい。